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訪問診療×訪問看護ステーション合同勉強会、週1回インスリン「アウィクリ」 — 当院でも2名の患者さんで導入を開始しました

こんにちは。あしたの在宅クリニックです。

先日、いつも連携させていただいている訪問看護ステーションさんと合同で、

ノボ ノルディスク ファーマ社の週1回投与の基礎インスリン製剤「アウィクリ」(一般名:インスリン イコデク)についての勉強会を開催しました。

在宅でインスリンを使われている患者さんは少なくありません。

本記事では、勉強会で印象に残ったポイントと、勉強会後に当院で実際に導入を開始した2名の患者さんについてご報告します。

週1回投与の基礎インスリン「アウィクリ」とは

アウィクリは、2025年に発売された世界初の週1回投与の基礎インスリン製剤です。

これまで基礎インスリンは1日1回投与が標準でした。アウィクリは半減期を大幅に延長する技術によって、週1回の皮下注射で持続的に作用するよう設計されています。

注射回数で言えば、年間365回から年間52回へ。患者さんやご家族、そして訪問看護師さんの負担を考えると、これは大きな変化です。

製剤は300単位製剤700単位製剤の2規格があり、

訪問診療では1週あたりの必要量や使用期限(開封後の有効期間が規格によって異なります)を踏まえて使い分けます。

在宅現場で押さえておきたいポイント

■ 切り替え時の用量設定

既存の1日1回投与の基礎インスリンから切り替える場合、原則として1日量の7倍量を週1回で投与します。

さらに、切り替え初期の血糖コントロールを早期にキャッチアップするため、初回1週間のみ1.5倍量を投与(ローディング)するという方法も推奨されています。

■ 低血糖は投与1〜2ヶ月後にも起こりうる

立ち上がりが緩やかな分、低血糖リスクは投与初期よりも、むしろ1〜2ヶ月経過してから報告されているとのことでした。導入直後の観察はもちろん、中長期的なフォローも大切になります。

■ 操作面での違い

空打ちは「10単位」で行うこと(従来のインスリンは2単位)

針は毎回必ず交換すること

カートリッジが途中までしか入っていないように見えるのは7倍濃縮のためで不良品ではないこと。

こうした「従来と違うところ」を、訪問看護の皆さんと共有することで安全に切り替えることができます。

「週1回なのに毎日打ってしまっていた」「切り替え時の用量設定を間違えていた」という報告もノボ ノルディスク ファーマ社へ実際に上がっており、低血糖の主な原因になっているとのお話がありました。新しい薬だからこそ、最初の数週間は院内と訪看さんとで密に情報共有していく必要があります。

勉強会後、2名の患者さんで導入を開始しました

勉強会で得た知見をもとに、当院でも2名の患者さんでアウィクリの導入を開始しました。それぞれご紹介します。

症例①:高齢独居で訪問看護師さんが注射管理をされている方

80代男性。心疾患の既往があり、糖尿病の治療歴としては、経口糖尿病薬とGLP-1受容体作動薬の併用から始まりました。

体調を崩された際に食事摂取量が低下し低血糖を起こしたことを契機に、その後はGLP-1受容体作動薬を中止し、ベーサルインスリン+経口薬という体制で血糖管理を行っていました。

ご高齢の独居の方で、インスリン注射と内服管理は訪問看護師さんが主体となって実施してくださっています。

血糖値のより良い安定を目指して、勉強会後にアウィクリへの切り替えを行いました。

1日量換算42単位×7倍=週294単位ですので、初回(ローディング)440単位、2回目以降290単位で開始しています。

切り替え後は、訪問看護師さんに週1回の訪問時にまとめて注射管理をしていただける形になりました。

症例②:インスリン+GLP-1受容体作動薬併用中で、自己注射されている方

70代男性。糖尿病性網膜症の合併があり、経口薬・基礎インスリン・GLP-1受容体作動薬の併用療法でフォローしている方です。

ご自身でインスリン注射をされている方ですが、定期診察の際に、ご本人が把握されているインスリン単位数と実際の処方量にズレがあることが分かりました。これは在宅で自己注射されている方では時々経験する状況で、注射回数が多いほど起こりやすい印象があります。

ご本人とアウィクリへの切り替えについて話し合い、ご希望もあったため、環境調整を行ったうえで切り替えとしました。切り替えにあたっては、勉強会で学んだ通り初回1.5倍のローディングを実施しています。

GLP-1受容体作動薬も週1回製剤を使っているため、注射スケジュールを揃えられる点も今後の利点になりそうです。今後の血糖推移を慎重にフォローしていきます。

おわりに — 連携している訪問看護師さんと合同で勉強する意味

新しい薬剤や治療選択肢は、医師だけが知っていても在宅医療の現場では十分に活かせません。

今回の合同勉強会では、製薬会社さんからの説明だけでは見えてこなかった「現場の困りごと」や「運用上の工夫」を、訪問看護師さんと一緒に共有できたことが何よりの収穫でした。

あしたの在宅クリニックでは、今後も連携先の皆さまと合同で学び、合同で考える場を続けていきたいと考えています。「うちのステーションでもこういう勉強会をやりたい」「この薬についてもう少し詳しく知りたい」といったご相談がありましたら、お気軽にお声がけください。

品川区・大田区・目黒区を中心に、24時間体制で在宅医療をご提供しています。

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